みなさんは厚生年金いくら受給できるか考えたことはありますか?
厚生年金は、日本の公的年金制度の1つで、主に企業に勤める会社員や公務員が支払っており、基本的には65歳から受給できます。
厚生年金は年収の9.15%(会社負担除く)を負担しなければなりません。
かなり大きな負担ですが、厚生年金は一生涯受給できる「終身年金」ですので、自身が亡くなるまで受給し続けることができます。
それでは60歳で定年を迎え、65歳から年金を受給したと想定すると、何歳から元を取れるのか考えていきます。
1.厚生年金の受給額
2.モデルケース(大卒22歳入社、60歳退職、平均年収500万)
3.モデルケース(院卒24歳入社、60歳退職、平均年収600万)
4.まとめ
1.厚生年金の受給額
まずは厚生年金の受給額を計算してみましょう。
厚生年金の受給額は以下の内容で計算できます。
「勤続年数×平均年収×0.005481」
勤続年数が長く、平均年収が高ければ高いほど受け取れる年金額が増加します。
0.005481は「報酬比例部分」の計算係数になります。この数字は時代に合わせて変更される可能性があり、少子高齢社会が進むと小さくなる(つまり受給額が減る)可能性があります。
例として、20歳から60歳まで働き、平均年収が400万円のサラリーマンで計算してみます。
勤続年数×平均年収×0.005481 = 40×400×0.005481 =約88万
平均年収400万円のサラリーマンが65歳以降に受給できる厚生年金は約88万円になりました。
では次からは具体的なモデルケースを考えていきます。
2.モデルケース1(大卒、平均年収500万)
モデルケース1は22歳入社からの60歳まで働き、その間の平均年収は500万円のサラリーマンが何歳まで生きれば、元を取れるか計算します。
まず、22歳から60歳まで支払う厚生年金の総額は
勤続年数×年収×0.0915%=38×500×0.0915=約1736万
次に、65歳以降に1年間で受け取れる金額は
勤続年数×平均年収×0.005481=38×500万×0.005481=約104万
元を取るまでかかる期間は
支払った総額/1年間で受給できる金額=約1736万/104万=17年
つまり、65歳+17年=83歳以上生きれば、現役時代に支払った厚生年金を回収(元を取れる)できることになります。
3.モデルケース2(院卒、平均年収600万)
モデルケース2は24歳入社からの60歳まで働き、その間の平均年収は600万円のサラリーマンが何歳まで生きれば、元を取れるか計算します。
まず、24歳から60歳まで支払う厚生年金の総額は
勤続年数×平均年収×0.0915%=36×600×0.0915=約1976万
次に、65歳以降に1年間で受け取れる金額は
勤続年数×平均年収×0.005481=36×600万×0.005481=約118万
元を取るまでかかる期間は
支払った総額/1年間で受給できる金額=1976/118=17年
つまり、65歳+17年=83歳以上生きれば、現役時代に支払った厚生年金を回収(元を取れる)できることになります。
これはモデルケース1と同じ結果となります。数値が違えど式は同じなので、最終的に求まる数値は同じになります。
4.まとめ
厚生年金、何歳まで生きれば得するかについて計算しました。
計算した結果、65歳から受給すると想定すると、
83歳以上生きれば元が取れることが分かりました。
日本人の平均寿命が84歳(2021年時点)ですので、おおよそ平均寿命を迎えたところで現役時代に支払った厚生年金を受けきるイメージになります。
ここから考察できることとしては、この83歳と平均寿命84歳というほぼ同じ数字は偶然ではないと考えられます。ちょうど同じぐらいにしておけば国の財政がマイナスになることなく、トントンになると計算されていると考えられます。
つまり、これから平均寿命が上がると、国の財政を赤字を抑えるために、毎年受け取れる受給額が減ることになるでしょう。受給額を減らすには、「1.厚生年金の受給額」で触れた0.005481(報酬比例部分)の計算係数が小さくなることが予想されます。
いずれにせよ、これからは、国の年金だけに頼るのではなく、自分で年金を作ることが大事だと考えます。そのために、「NISA」といった制度を活用して、資産を作っていきましょう。
以上になります。