日本経済新聞にて以下のような記事がありました。
「虎の子なき東芝、「売れ残り」のパワー半導体にかける」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC019J50R00C24A7000000
東芝の半導体といえばキオクシア(旧東芝メモリー)と分社化したことが記憶に新しいと思います。
東芝は半導体事業は持っていないと思っていた方も多いと思ます。
実は東芝にはパワー半導体を扱う会社があるのをご存じでしょうか?
その名も「東芝デバイス&ストレージ株式会社」です。
この「東芝デバイス&ストレージ株式会社」についての解説と今後の未来について徹底解説していきます。
事業内容
事業内容は大きく2つに分かれます。
1.半導体事業部
2.ストレージプロダクツ事業部
1.半導体事業部では主にパワー半導体やシステムLSIを作ってます。
・パワー半導体:電力の制御と変換を行う半導体デバイスのことで、モータ制御や家電製品、太陽光発電・風力発電等で使用されています。
・システムLSI:CPUやメモリ、IOなど1つのチップに統合したものです。1つのチップに統合することで様々なメリット(集積度や消費電力)があるのですが、ここでは割愛します。東芝デバイス&ストレージではデジタルではなくアナログICを得意としており、無線通信用のICなどを製造しております。
2.ストレージプロダクツ事業部は主にHDDを製造しております。
ざっと紹介しました。TSMSやサムスン、Intelのような先端デバイスではなく、アナログなデバイスを製造しております。
今後の未来について
今後の未来について2つ考察します。
1.ストレージプロダクツ事業部は厳しい
国内HDDではシェアは取れてますが、やはりSDDの高集積化により価格もHDDに近づいているため、需要の高まりも望みにくいです。(極端な話、同じ価格で同じ容量のHDDとSDDでしたらHDDを選ぶメリットがほぼありません)
ですので、ストレージプロダクツ事業部はなくなることはないと思いますが、少しずつ規模が小さくなると思われます。
2.半導体事業部の未来は明るそう
半導体事業部では製品の1つとしてパワー半導体を製造販売しております。
今後、2050年までにCO2を排出ゼロにするカーボンニュートラルを達成すべく、自動車のモータ制御や発電・送配電の効率化などは避けられず、それらを達成するにはパワー半導体が不可欠です。そのパワー半導体で一定以上のシェアを誇る東芝デバイス&ストレージは今後成長が見込まれると考えられます。
まとめ
今後、カーボンニュートラルというメガトレンドにおいて、東芝デバイス&ストレージ株式会社の未来は明るいと考えられます。
しかし、そのメガトレンドの恩恵を受けるには競合他社よりも魅力的な製品を出していく必要があります。
限られた人的リソースを会社の利益最大するためにどのように生かしていくか、経営陣の腕前が試される場面が続いていくと考えられます。
以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。