Yahoo!ニュースで「ペアローン」に関するニュースがありました。
「住宅「ペアローン」利用増える 物件高騰、共働き家庭が浸透」
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6507441
都市部での住宅高騰に加え、共働き家庭が浸透してることが背景にあります。
では、ペアローンのメリット・デメリットをそれぞれ考えていきたいと思います。
メリット
1.借入金額の増加
2.夫婦それぞれで住宅ローン控除を得られる→節税につながる
デメリット
・離婚や死亡時のリスク
・手続きの複雑化
それでは詳しく解説します。
[メリット1]借入金額の増加
ペアローンにすることで借入金額を増加することができます。
民間金融機関であれば年収の6.5倍程度の借入限度額になるそうです。
引用元:七十七銀行 大人のための金融知識
30歳で家を購入することを想定して、1人の場合とペアローンでどれだけ借入金額に違いが出るか見てみます。
dodaの2022年9月から2023年8月の1年間のデータによると
30歳で男性の平均年収の453万円、女性の平均年収は371万円になります。
URL:https://doda.jp/guide/heikin/age/
男性が単独で住宅ローンを借りるとすると、
453万×6.5倍=2944.5万円です。
これぐらいの額ですと、都内で新築マンションは厳しく、中古は必須という感じでしょうか。(もちろん立地もあるので一概には言えませんが)
一方ペアローンで住宅ローンを借りるとすると、
(453万+371万)×6.5=5,356万円です。
これだけあれば新築も検討の余地がはいりますので、こだわりの要素も出せるのではないでしょうか。
[メリット2]夫婦それぞれで住宅ローン控除を得られる
夫婦それぞれローンを組むので、2人分の住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除のシミュレータができるサイトがありますので、実際にシミュレーションしていきます。
引用:価格コム 住宅ローン控除(減税)シミュレーション
https://kakaku.com/housing-loan/simulation/koujo_simulation.asp
先ほどの例で30歳年収453万の男性の住宅ローン控除は
226万になります。
一方、30歳年収442万の男性と30歳年収350万の女性のペアローンで受けられる控除額は
226(男性側の控除額)+185(女性側の控除額)=411万円になります。
これは所得控除や生命保険控除などのように所得控除額を差し引くのではなく、そのまま住民税は所得税の金額を差し引かれます。
よって、医療費控除や生命保険料控除よりも節税のインパクトが大きいです。
共働きを何十年も続けていく家庭でしたら、ぜひ押さえておきたい節税対策になります。
※上記の控除額はシミュレーション結果です。金利や返済年数によって変動がありますので、目安としてとらえてください。
[デメリット1]死亡時のリスク
単独でローンを組んだ場合、その人に団信(団体信用生命保険)がかけられるのが一般的ですので、ローンを組んだ本人が亡くなった場合はローンを払わなくてもよくなります。
一方、ペアローンの場合、例えば旦那さんが亡くなった場合、旦那さんのローンは返さなくてもよくなりますが、残された奥さんの方のローンは返済しなければなりません。
いくら旦那さん分のローン返済免除があるからといって、子育てをしながらローン返済は大きなリスクだと思います。
[デメリット2]手続きの複雑化
2人分の住宅ローン控除を受ける場合、2人分の手続きが必要になります。
具体的には、初年度は確定申告が必要になり、2年目以降は年末調整で対応する形となります。年末調整は会社がしてくれるとはいえ、必要書類は準備しなければならないので、面倒です。
以上、メリット・デメリット2選を紹介しました。
近年の物価高により住宅価格が上がっているため、どうしても欲しい物件であればペアローンも検討に入るのかなと思います。
しかし、2人に何かあった時のリスクも想定してコミュニケーションを取っておく必要があります。(どちらがが亡くなる、奥さんが育児復帰後に働けなくなるリスクなど。)
この辺は2人で人生をどうしたいかによって、ローンの組み方は変わってくると思います。
以上になります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。