お金のニュース考察

[2024年7月11日]3兆円規模の為替介入か。なぜ為替介入するのか徹底考察!

日本経済新聞で以下ニュースがありました。

「政府、「弱い円」に危機感 3兆円規模の介入観測」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA121K80S4A710C2000000

外国為替市場で11日の夜と12日の夜に円相場が急伸し、日銀が為替介入に踏み切ったとの観測が浮上したそうです。

ここ数年の円安は凄まじいものがあり、政府や日銀としても急激な円安は好ましくないのでしょう。

直近の為替介入は4月29日と5月1日にありました。ちょうど160円突破したタイミングです。

基本的に政府が外国為替相場に介入することは他国の経済政策に影響を及ぼすことにもつながり、好ましくありません。

そのため、円安を抑制したければ政策金利を引き上げることです。そうすれば円を買う人が増えるので円安の進行が鈍化します。

では、なぜ政策金利を引き上げずに為替介入をするのか?

その理由を3つ挙げます。

1.投機筋への心理的プレッシャーを与えるため

2.政策金利を上げられないから

3.米国の政策金利引き下げまでの時間稼ぎするため

1.投機筋への心理的プレッシャーを与えるため

こちらの図を見てください

2023年から2024年までのドル/円のチャートです。

2022年10月21日に152円付近で為替介入があり、5円ほどの急落がありました。

投機筋にとって、一瞬で5円も動くと何百、何千万もの資金が吹き飛ぶ場合があります。もちろん逆もしかりです。

その後、2023年11月頃に再度152円付近まで伸びましたが、反落しています。

なぜ、反落したのでしょうか。

152円付近というのは、為替介入されたことで、投資筋にとって意識される価格となりました。

また、152円付近で為替介入されることを警戒して、買いを入れづらい場面になりました。

このように、為替介入をすることで、投機筋にプレッシャーをかけることができ、それが円安抑制につながります。

(ちなみに為替介入のタイミングを間違えると、一時的には下落しても、強い買い勢力によって価格が戻ることがあります。すると、投機筋の心理としては、むしろ買いを検討する場面につながりますので、円安を助長することにつながります。)

2.政策金利を上げられないから

こちらの図をご覧ください

引用元:GLOBAL NOTE 世界の政府債務残高対GDP比 国別ランキング・推移

URL:https://www.globalnote.jp/post-12146.html

日本は他の国よりもGDP比での債務残高が高いです。

これは、経済規模の割に借金を多くしてること意味します。

次にこちらのグラフをご覧ください。

引用元:財務省

ULR:https://www.mof.go.jp/zaisei/financial-situation/financial-situation-01.html

こちらのグラフは日本の国債残高の推移を示しています。

今年度は1,105兆円に達する見通しのようです。

以上2つのデータから考えられることとしては、

日本は他の国と比べ経済規模の割に借金を多くしており、その額も年々増加していることを意味します。

※国債も借金のようなものなので、借金と呼んでます。

借金ですので、金利を付けて返済しないといけません。

現在(2024年7月13日)時点の政策金利は0.10%なので、まだまだ低金利です。

もし、政策金利をアメリカのように5%程度引き上げるとどうなるでしょうか。

国は毎年数十兆円単位の金利を払うことになり、たちまち財政危機に陥るでしょう。

ただでさえ、社会保障費が年々増加する中、そんなお金を払い続けるのは難しいでしょうあ。

よって、政府は円安は抑えたいけど、政策金利はあげたくない。だから為替介入をしようという流れにつながっていると考えられます。

3.米国の政策金利引き下げまでの時間稼ぎするため

そもそも、なぜここまで円安が急激に進んだのでしょうか。

最も大きな要因は日米間の金利差です。

こちらのグラフをご覧ください。

引用元:為替ドットコム

URL:https://www.gaitame.com/markets/seisakukinri/

青い線が米国で赤の線が日本です。

2022年付近から徐々に米国の金利が上昇していますが、日本は全く変わりません。

(一応2024年から-0.10%から0.10%に上昇してますが、米国と比べると微々たるものです。)

次にこちらをご覧ください。

2008年から現在までのドル/円のチャートです。

見ての通り、日米の金利差が開き始めたタイミングで円安が進行しています。

円で持つよりもドルを持つ方が金利がつくので、円を売ってドルを買う人が増えますよね。

逆に言うと、アメリカの金利が下がると、ドルを売る人が増えるため円安の進行が抑えられるます。

では、いつアメリカの金利が下がるのか。

それは誰にも分らないと思います。

現在、アメリカはインフレが激しく、インフレを抑えるために高金利を取らざるえません。

アメリカのインフレが収まれば金利下がるでしょう。

そうすれば円安も抑えられます。

つまり、日本の政府は、アメリカのインフレが収まるまでの時間稼ぎとして為替介入をしていると考えられれます。

以上、私が考える為替介入をする理由3選でした。

ここまで読んでくださりありがとうございました。