日本経済新聞にて以下の記事がありました。
「日本郵船の純利益大幅上振れ、コンテナ船増 25年3月期」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOTG225VR0S4A720C2000000
日本郵船について今回の増収と今後の未来について考察します。
日本郵船とは
1885年に設立された三菱グループの祖業企業になります。2024年で139年目になるのですから、超老舗企業ですね。
主に海運会社であり、国内外の港へ船を運行しております。
現在の事業内容を売上高上位3位まで紹介します。
事業内容
・定期船事業
・食料品や日用品、電化製品など様々なものを運ぶ。
・物流事業
・お客さんから依頼を受けた荷物を受け取り最適な経路で送る。
・不定期専用船事業
・自動車、ドライバトルク、天然ガスといったエネルギー資源を運ぶ。
増収となった理由を考察
日本郵船の「2025 年 3 月期 業績予想の修正に関するお知らせ」によりますと、
https://www.nyk.com/ir/news/2024/__icsFiles/afieldfile/2024/07/22/jpnkaiji.pdf
・国際情勢による迂回ルートの需要の高まり
・運賃値上げ
・円安
が主な要因のようです。
国際情勢というのは、紅海にてフーシ派による商船攻撃が相次いでいることで、商船はそれを回避するため、迂回ルートを使用してます。
この迂回ルート(喜望峰ルート)は座礁のリスクや距離の長さも相まって、利益率が高いことが予想されます。その理由として、1956~19957年の第二次中東戦争にて、スエズ運河を通るリスク回避のため喜望峰ルートの需要が高まりました。その需要の高まりから海運市況が暴騰し、海運界にとって好景気な時期になりました。(スエズブーム)
日本郵船歴史博物館:スエズブーム
URL:https://museum.nyk.com/kouseki/200906/index.html
以上から、今回の増収は「国際情勢による一時的な需要の高まり」と「円安」であると考察されます。
今後の未来
事業の比率として不定期専用船事業が半分以上を占めてます。
つまり、景気に大きく左右される事業ポートフォリオであるため、現在は景気が良くても、景気が悪い時は大きく業績を下げる可能性があります。
顧客は日系企業が多いため、トヨタをはじめとする日系の企業の業績に連動します。
長年培った実績、信頼があるでしょうから、倒産するリスクはほぼないですが、景気が悪くなったときのリスクを考慮して考えるべきだと考えます。
もし、今後も日系企業が安定的に発展すると思うのであれば、今後の未来は明るいでしょうし、そうでなければかなりの企業努力が必要になるでしょう。
以上になります。ここまで読んでくださりありがとうございました。