日本経済新聞にて、このような記事がでました。
「遺族厚生年金、子なし現役世代は5年限定 男女差を是正」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA24BJV0U4A720C2000000/
一部の人にとっては改悪になる内容です。
遺族厚生年金とは厚生年金を負担してる会社員が(厳密には会社員以外もいますがここでは割愛)亡くなった際に、その配偶者の生活が困窮しないようするために国が補助する仕組みです。
今回の改正、改悪になる人が多そうですが、改善する人もいます。
それは、どのような人かといいますと、
「改悪」
配偶者あり、子供なしの30歳以上の女性
「改善」
配偶者あり、子供なしの55歳未満の男性
それでは詳しく解説します。
改悪対象の人
改悪になる人は「配偶者あり、子供なしの30歳以上の女性」です。
現在は子供がいない30歳以上の女性の旦那さんが亡くなった場合、一生涯にわたって年金が支給されます。
人生100年時代に突入する現代において、一生涯支給はとても大きいですよね。
今回の改正が決まれば、一生涯ではなく、5年間のみになります。
政府の言い分としては、共働き世帯が当たり前に移り替わってる日本において、旦那さんが亡くなっても働いて稼げば生活に問題はないでしょ、という趣旨だと思います。
5年間という短い期間になりますが、受給額は現行よりも増やすことも検討されてるそうです。
改善になる人
改善になる人は「配偶者あり、子供なしの55歳未満の男性」です。
現在は妻が亡くなった場合、55歳未満の男性に遺族厚生年金は支給されません。
今回の改正が決まれば、55歳未満の男性にも5年間の遺族厚生年金が支給されます。
先ほどの政府の言い分につながりますが、共働き世帯が当たり前の現代において、女性だけ30歳以上であれば補助されるのは時代にそぐわない、という面があるからと考えられます。
なぜこのような改正するのか、考察
政府の言い分としては、今の遺族年金の制度は夫が働いて妻を扶養する世帯が多かったことを想定して作られたもので、共働き世帯が中心となっている実態にそぐわないとの理由で改正が検討されています。
もちろん、この理由も改正の1つであると考えられますが、もっと別の理由があると考えられます。それは財源不足です。
日本の社会保障の支出は増加の一途を辿ってます。
引用:国立社会保障・人口問題研究所 「令和 3(2021)年度 社会保障費用統計の概要」
URL:https://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-R03/R03-houdougaiyou.pdf
これからも増えるだろう社会保障の支出を少しでも抑えようと制度を見直した結果、今回の遺族厚生年金の改正の検討につながったのでしょう。
ちなみに、最も増加率が高い「保健」は”医療保険”、”介護保険”が含まれます。高齢社会が進む日本において、医療を利用する高齢者が増えるわけですから、増加率の高さは納得できるかと思います。
まとめ
今回の改正が決まれば、配偶者がいる子どもなし30歳以上の女性にとって改悪となる制度になります。
私個人的な感想としましては、仕方がないのかなと思います。
確かに、旦那さんが亡くなった場合、精神的にも金銭的にも辛いですし、お金の補助は必要になると思います。ですが、一生分の補助がでるのは社会保障の支出が増えてく現代において、財源的に厳しいところがあったのだと思います。
以上になります。ここまで読んでくださりありがとうございました。